旭洋酒
もともと旭洋酒は栽培農家の組合としてスタートしましたが、栽培農家の減少などで共同経営が難しくなり、2002年、現在のオーナーである鈴木夫妻が引き継ぐことになりました。
旭洋酒のワインたちは、優しくてホッとできる太陽のようなワインを造りたいという夫妻の思いから「ソレイユ(太陽)・ワイン」と名付けられています。
「私たちは力強さを追求することよりもブドウの魅力を引き出した、柔らかな温かみの感じられるワインを目指します。」
ルージュ クサカベンヌ
山梨市日下部地区産マスカット・ベイリーA主体 ライトボディ 生産本数939本
日本のワインぶどうの父と言われる川上善兵衛氏が明治期に交配したマスカット・ベイリーAは病気に強く、温暖化によって降雨量が増大している近年、その耐湿性と収穫安定性で他の品種に抜きんでています。日下部(クサカベ)地区のベテラン果樹農家 手島宏之氏がワイナリーのすぐ近くで栽培するベイリーAはとりわけ管理が行き届いており、健全なまま完熟する優等生です。この畑のブドウをボジョレ・ヌーボーで御馴染みのマセラシオン・カルボニック法で醸造しフレンチオークで6か月熟成しました。生ブドウを感じさせるジューシーさで渋みは殆どなく、赤ワインの渋みが苦手という方にも人気です。
2022年は6月中に一旦梅雨が明け、その後1週間以上、6月としては記録的な猛暑日が続きました。ちょうどブドウの実の肥大期に当たったため粒が張らないまま二回目の梅雨に突入、結局本当の梅雨明けは7月下旬となり、その後も収穫期まで雨の多い年でした。交配品種であるベイリーAは温暖化で熟期が早まっていますが、このワイン用は最初の収穫から2週間以上後、本年も健全に完熟で収穫できました。
イチゴジャム、グレナデンシロップ、蜜蠟、シナモンなどの華やかな香。口中では溶かした粉砂糖のような質感のアタックからアニスの清涼感、熟したマルベリーなど黒味のある果実と少し湿った木や茸などのニュアンスがスルスルと展開。
タンドリーチキンやケバブ、バインミーやコムタム、レバーパテなど、オリエンタルスパイスやハーブの効いた肉料理と◎チーズケーキやパンナコッタ、杏仁豆腐などのスイーツと合わせても美味。
飲用適温15℃前後。無濾過・生詰のため澱が沈殿します。