イル・パラッツィーノ
キアンティ地区ガイオーレの南6マイル、標高400mのところに、古くから地元で“ザ・クリュ”として別格とみなされている一角がある。イル・パラッツィーノの畑はここに広がる。ズデルチ家は一世紀以上にわたりこの畑を所有するが、本格的なワイン生産は30年ほど前、アレッサンドロとアンドレアがこの畑を運営するようになってから始まった。点在していたオリーヴやブドウを植え替え、現在の畑の土台が築かれた。
私にはともに楽しく働く造り手は数多くいるけれども、中でもアレッサンドロとアンドレアは、若くて知識が豊富で、熱意を持って仕事に取り組み、すでに十分に優れたワインがさらに向上できる点はないかと常に求めている。84年にはキアンティ地方のおきまりの白ブドウのトレッビアーノとマルヴァジーアとの混醸をやめた。それによってよく見られた早い時期の酸化を防ぐことができるようになった。素晴らしくキアンティとしては例外的に、魅力的な深いルビー色を湛えたエレガンスのあるワインを作り上げた。
グリーン・ハーヴェストによる収量制限、収穫時には極めて慎重な選果をおこない、セラーでも注意深く最上のバレルだけを選んでビン詰めにする。こうすることでほかのキアンティ・クラシコとは明らかに異なるまさにガイオーレ本来の味わいを、まるで憎らしいほど模範的な品質に高めた。すなわちフィネス、温和な優しさ、芳醇、例外的なほどの豊かなブケ(ラズベリとスミレ)であり、これぞキアンティのイリス女神という趣である。 81 年以後、最上の畑のサンジョヴェーゼからグロッソ・サネーゼと呼ばれるキアンティ・クラッシコの特別なキュヴェが造られた(以前は自家用だけだった)。今日、このワインは、世界中でブラインド・テイスティングを制している。
トスカーナ ロッソ・デル・パラッツィーノ
品種:サンジョヴェーゼ主体
植樹:1972年
位置:南西向き斜面
土壌:ガレストロ、砂利が豊富
ステンレスタンクで10日間のマセレーション
ステンレスタンクとセメント槽の併用で14ヵ月間熟成
ワイナリーのエントリーレベルのワインで、シンプルなサンジョヴェーゼ主体の赤ワイン。(インポーターさん資料から抜粋)