オーレリアン・エ・シャルロット・ウイヨン
オーレリアン・ウイヨンは、ジュラのコンテ出身です。彼は14歳の頃からピュピアンのピエール・オヴェルノワの元で兄のエマニュエル・ウイヨン、姉のアデリーヌと共に約20年間葡萄の栽培及び醸造について学びました。幼い頃から長きにわたり目や耳、そして体全体で感じてきた自然なワインを、現在のフォコンでも造り続けています。
オーレリアンは2014年にスイスに移住しジュラで学んだことを生かして新しい葡萄品種の開発、そしてバイオダイナミクスを用いて葡萄畑の土壌を変える仕事をしていました。
アルジェリアのトゥアティ出身の妻シャルロットは2つの博士号を取得した才色兼備の女性で、古代文書の研究のため中国やエチオピアなどへ赴き、そこで植物から紙を作る伝統的な方法や天然色素での染色芸術なども学びました。エチケットに使用された紙材は、シャルロットが葡萄の枝や果梗を利用して作成したものです。
二人の劇的な出会いはシャルロットがスイスに戻り大学でヨーロッパにおける染色技術の研究を終えた後、次は一転して農耕馬の仲介業に就き、葡萄畑を馬で耕作している時でした。
彼らは2017年3月に、ヴォーク地方のフォコン、ツール ドフランスのコースとして名高いモン・ヴォントゥの麓にある、4haの葡萄畑と5haの森や湿原に囲まれた土地に定住しました。
カーヴはもちろんのこと家も水道も電気すらなく、全てを自分達で作りあげ、カーヴは収穫の1週間後に完成しました。9月27日には娘さんが誕生し、2017年は彼らにとって変わり目の素晴らしいスタートの年となりました。森に囲まれ他からの影響も受けない好立地で、粘土石灰と砂が主体となっています。砂は砂質が固まってできた岩が風化したもので、「ラロッシュクークルド」と呼ばれる特徴的な土壌です。現在は樹齢約25歳から65歳のグルナッシュ 2.5ha、シラー1.3ha、そして0.2haのサンソーを栽培しています。馬のヴィクトワール(Victoire)とロバのカストール(Castor)が農作業を手伝い、またコンポストも彼らの糞を利用しています。ピエールから学んだことを生かしながらジュール・ショーヴェの醸造法を採用し酵母や亜硫酸は一切使用せず、葡萄の力による自然な醸造でろ過もしません。瓶詰は重力を利用して行っています。
ヴィエイユ・ヴィーニュ
グルナッシュ。除梗した樹齢70年の葡萄を10週間マセラシオン。ステンレスタンクで発酵・熟成。
ルビー色。苺やフランボワーズ、グリオットチェリーのコンポートなどやや凝縮した赤系果実の香りに、ドライプルーンやデーツなど果肉のしっかりとしたドライフルーツ、オールスパイスなどのスパイス香がほどよく加わります。色合いや果実の香りからミディアムスタイルの若々しい様子が見受けられますが、その中にも古木由来の複雑性や深みを感じさせます。一瞬ピリッと舌先をかすめるガスがあたり、繊細で軽やかなタッチで流れるように口中へと広がります。ボーヌのピノ・ノワールのようにやや充実した果実味とフランボワーズを想わせるいきいきとした酸が絡み合い、可憐でエレガントな印象を感じさせながら膨らみ、徐々にオールスパイスやドライフルーツのニュアンスが溶け込み、繊細な中に複雑性やコク深い様子が加わります。この先の熟成で更に奥深く繊細で上品な印象に拍車がかかり、魅力が増していくことでしょう。(インポーターさん資料から抜粋)