ティエリー・ベクレール
ティエリーと初めて会った時の印象は、物静かであまり多くを語りませんが、気遣いのできる穏やかで人を包み込むような優しさのある人だと感じました。
彼は、パトリック・デプラの友人で、葡萄の栽培の仕方などパトリックからの影響を多く受けており、彼同様に銅など一切撒かない栽培方法をとっており、また栽培のことだけでなく醸造、瓶詰めなどの作業も二人で協力して行っています。
これまで両親からお兄さんが葡萄畑を引き継ぎ栽培や醸造を行っていましたが、2016年からティエリーがロッシュフォールにある約8ha(4.5haがシュナン・ブラン、その他シャルドネ、ガメイ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、少しのグロロー・グリを植えています)を引き継いで続けることになりました。2014年ヴィンテージと2015年は、お兄さんと一緒に造っていた頃のワインです。彼が一人で担うようになった2016年と翌年の2017年は、霜の影響で葡萄が壊滅状態となり醸造することができず、厳しいスタートとなりました。2018年のワインが、実質彼の初ヴィンテージとなります。
ピック・マルタン
シュナン・ブラン。中程度の黄色。黄色の和柑橘、熟した白葡萄の甘く爽やかな果皮の香り、加えて白い花やローズマリーを想わせる華やいだ香りが感じられます。口に含むと香りの印象よりも一段と果実の風味を感じ、柑橘の粒から果汁が弾ける様な瑞々しさやマスカットを皮ごと頬張ったような爽快で甘酸っぱい風味が、微細なガスやキレのあるシャープな酸を伴い溌剌とした印象で広がります。やや揮発酸を感じますが、柑橘や白葡萄の風味や果実の甘みと絡み合いバランスよく馴染んでいます。春の麗かな陽気を想わせるような可愛らしいワインです。(インポーターさん資料から抜粋)