アルノー・シャピー
シャピー家は代々ワイン造りを営んで来たが、もともと規模が大きなものではなかったことに加えて父親が跡を継がなかったことから、しばらくは畑を貸していた。そのため、畑の貸借契約解消に要する日数や実際にワインを造るために最低限必要とされる経済的な体力をつけるため、現当主のアルノーは長い期間を大理石の石切職人として費やすことになった。何としてでもワイン造りの道へ進むと決めたのは、祖父が醸造したワインを若い頃に飲んでとても感動した記憶が成人してもずっと残っており、いつの日か祖父が造っていたワインをアルノー自身も造りたいと強く願っていたため。
石切職人を2011年に辞めてボーヌの醸造学校で学び、卒業後はClose de Tart、DRC、そしてPrieure Rochで働き、ようやく2014年に、1.5haの小さな畑からピノ・ノワールとアリゴテを造り始めることができた。妻のマニュエラはオーストリア人で、クロヴージョのツアーガイドをやっていた頃にペルナン・ヴェルジュレスのビストロでアルノーと知り合い、その後に結婚、現在は3人の子供に恵まれている。
祖父がブドウを植えた年は1930年、31年、48年、59年、そして1963年とどれをとって古く、自然に15hl/ha以下の収穫量となるため、目の詰まった素晴らしいワインとなる。
畑に散布する薬剤は、雨が多い年で年間に300グラムの銅と15キロの硫黄のみ、除梗せず、ピノは大樽で発酵させた後に時間をかけて垂直プレス、その後に小樽で12ヶ月程度の熟成、アリゴテはプレス後に同じく小樽にて発酵及び熟成で約10ヶ月。年によってペティヤンを造ったりもする。亜硫酸の使用については、瓶詰めの際に14年のピノ 25mg/L、15年のアリゴテに10mg/Lを添加しているが、16年以降は一貫して全くの無添加である。
2017年、2018年と土地を入手することができたため新たにブドウを植え現在はトータル3haの畑を所有しておりますが、専業で生計を立てるには厳しく、現在はシャンドン・ド・ブリアイユで働きながらワインを造っている。。
ウーヴェルチュール
アリゴテ。中程度の黄色。和柑橘のピール菓子やパイナップルなど爽やかな甘みを感じさせる果実香に、白い花、フレッシュハーブ、煙や鉱物的なニュアンスが伺えます。舌先をピリッとかすめるガスがあたり溌剌とした印象で、早生みかんや文旦、八朔など柑橘の粒から弾ける果汁感や風味がシャープな酸と共に広がり、口中に留まるフルーティーな果実味にじんわりと溢れるような旨味が溶け込み余韻に長く続きます。引き締まった小気味良い酸は全体を支え、熟した柑橘系の風味やハーブなどの爽快感を引き立てながら凛とした印象を与えており、果実味とキレの良い酸が絡み合うメリハリのある仕上がりとなっています。(インポーターさん資料から抜粋)
お一人様1本でお願い申し上げます。