ベルトラン・アンブロワーズ
メゾン・アンブロワーズは1987年にプルモー・プリセに設立された。
当主のベルトラン・アンブロワーズはリヨンの出身で、ブドウ栽培やワイン醸造とは無縁の家柄だった。教師の勧めでボーヌの醸造学校に入学。ワイン造りを学んだ後、外国で暮らそうと考えていたが、そこで知りあった女性が妻のマルティーヌ。義父の跡を継ぐ形で、このメゾン・アンブロワーズを興したという。
新参者ながら、プルモーの村議を20年、村長を7年務めた人格者である。
今日、17haの畑をビオロジックで栽培し、2013年にエコセールの認証を取得予定。ドメーヌではなくメゾンなのはネゴシアンだからだが、実際のところ、現在、買いブドウによって造られているのはラドワ1級のグレションとムルソー1級のポリュゾのふたつのみ。10年前までは全体の3分の1がネゴスだったが、徐々に自社畑産に絞り込み、今日のラインナップに落ち着いた。
かつてアンブロワーズのワインは樽香の強さで賛否を分けたが、現在は樽の大きさを400リットルの特注サイズにし、樽の影響を抑える傾向にある。
例えば白の場合、ラドワ1級グレションで70%、ムルソー1級ポリュゾ、ニュイ・サン・ジョルジュ1級テール・ブランシュで100%という高い新樽率にもかかわらず、スモーキーさは上品で、かつてのカリフォルニア産シャルドネのようなオーバーオーキーな印象がなくなったのは大きな進歩といえるだろう。
一方、果実味の凝縮感に溢れるスタイルは従来どおり。樽香が抑えられたことによって、よりピュアなフルーツを堪能できる。
長女のリュディヴィーヌ、長男のフランソワがベルトランを支えるようになり、次世代へのバトンの受け渡しも進んでいる。
一部の親しみやすいワインに、開けやすく飲み残しの保存もしやすいスクリューキャップを導入。新しい試みにも果敢に挑戦している。
コトー・ブルギニョン ルージュ レトル・デロイーズ
ピノ・ノワール100%。「コトー・ブルギニョン・ルージュ レトルデロイーズ」の、エロイーズはベルトランの孫の名前。彼女が生まれた2007年、“Lettre d’Eloise”というキュヴェを造ることにした。
通常、コトー・ブルギニョンの赤はガメイとのブレンドで造られることが多いですが、こちらはピノ・ノワール100%で造られたものでコストパフォーマンスが高くおすすめです。