ドメーヌ・アンヌ・グロ
フランソワ・グロ氏の一人娘である1966年生まれのアンヌ氏は、1988年に父フランソワ氏のドメーヌを引き継いでからワインの世界において名声を築き上げました。 25歳の時には、3ヘクタールから6.5ヘクタールにまでぶどう畑を増やしたアンヌ・グロは、最近新しいカーヴ(ワインセラー)を増設しました。
固定観念や先入観にとらわれず、自由を追求する醸造家です。女性として、アンヌ氏は体力面だけでなく、精神面でも、ドメーヌを取り仕切る能力を発揮させました。そして、家族代々の遺産をブルゴーニュ地方において最も有力なドメーヌの一つへと昇華させました。
ブドウ畑とワインへの情熱に導かれた若いアンヌ氏は、1984年にはそれまで行っていた文学研究を中断し、ボーヌとディジョンでぶどう栽培学とワイン醸造学を学ぶこととなりました。才能、感受性そして専門性を伴った彼女は多くのワイン愛好家から支持されるようになりました。3人の子供の母であるアンヌ氏は、ドメーヌでの仕事及び家族のために全ての時間を費やしています。
リシュブール グラン・クリュ
リシュブールという名は、ドイツ語形成 (" Burg ")のように思われます。 地続きの0.60 ha のこの畑はレ・ヴェロワイユと呼ばれる区画にあり、ルイ・グロからの遺産です。
ぶどう樹は1930-1940年の間と1946年に段階的に植樹されました。
コンコールの渓谷の涼しい斜面に位置するこの畑は、北斜面の涼しさを伴いながらも、非常に日当たりが良いという好条件に恵まれています。
レ・ヴェロワイユとは、小さな谷の意味です。土壌では、斜面に垂直なぶどう樹の配列がこの少しへこんだ自然傾斜の浸食作用を抑制しています。土留め壁がその抑制作用をさらに補強しています。
土壌はキメの細かい土から成り、白い小石と濃い褐色の粘土が混ざり合っています。 このような土壌は自然排水が良いため、耕作しやすくなっています。しかし、しばらくの間は、自然雑草が生えるがままにさせておくことにしました。 時々機械を使ってその成長をうまく調整しながら。
リシュブール。その名前は、豊かさ、さらには重々しさを連想させます。人によっては誤解を招きやすい名前でしょう。 実際は、力強さと極上の優雅さを兼ね備えた、素晴らしいワインです。
私達はしばしば、このワインをクジャクの尾に例えています。シルクのようになめらかなタンニンとミネラル感が奥深さを与え、このグラン・クリュのワインを最も複雑で享楽的なワインの一つに仕立てています。
紫色の色調は、宝石のような輝きを持ち、純粋なピノ・ノワールを反映しています。そのアロマは非常に複雑で幅が広いです。 ボタン、バラ、スミレのニュアンスが広がるフローラルな香り。 レグリス(甘草)、バニラ、コリアンダーなどのスパイス系の香り。 赤果実及び黒果実(フランボワーズ、カシスなど)のニュアンスが広がるフルーティーな香り。 スーボワ(森の下草)、メントール、刻んだハーヴ類などの植物系の香り。 皮革、じゃこうなどのエキゾチックな香りやカラメル、カカオの香りも伴います。こうしたアロマ全てが感じられます。
熟成するにつれて、土の香り(腐植土、湿った森の下草)や動物性の香り(毛皮)が一層でてきます。
料理との組み合わせ方は色々ありますが、リシュブールを飲む時には、料理を必要以上に複雑にしないということです。最も良く合うのが、シンプルな味付けの料理。基本的に、このワインの繊細さを損なってしまうような重い料理と組み合わせないということです。 キノコ類(モリーユ茸、トリュフ、ヤマドリ茸など)やタマネギのコンフィを添えた赤肉及びローストしたジビエに(狩猟鳥獣肉)、少量のスパイスを効かせたら、最高の組み合わせが楽しめます。マイルドなチーズ(コンテ、ルブロション、シトーなど)とも良く合います。/font>