ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ
北部ブルゴーニュに、新しい造り手の登場です。そのニコラ・ヴォーティエは、誠実で才能のある造り手ですが、とびきりの冗談精神にもあふれていることは、ちょっと「エロっぽい」エチケットの絵からも、察せられます。2009年のファーストヴィンテッジは、よい作柄に恵まれ、ユーモアたっぷりのラベルとともに、楽しくて素敵なワインが入荷します。名前の由来は、有名なシーザーの言葉「Veni vidi vici 来た、見た、勝った」(スエトニオスが引用)をもじったものです。
昨年12月、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールを訪問した際、新しい造り手の誕生の話を聞きました。オリヴィエから聞いた話は、とても興味深かったので、フランスからミラノに移る夜行列車に乗る前に、急遽訪れました。パリの主なビストロやワイン専門店には早くも、おすすめで並んでいます。Chitry Rougeを買い求め、早速ホテルでテイスティングしたところ、自然派の特徴がくっきりとうかがえ、ヴォーヌ・ロマネのニュアンスを帯びた柔らかな香りとエキスがこもっていて、ピュアでとても素敵でした。期待で、胸が弾みます。
ドメーヌ・デ・クロワでの充実した2009年のテイスティングを終えて、夜もふけたころ、カーヴのあるアヴァロンにやっとのこと到着。この日は凍るように冷たく、陽がくれたアヴァロンの町には、雪が降り始めていました。セラーは廃業したネゴシアンの建物を部分的に譲り受けたもの。小さくて簡素なセラーながら、ピノ・ノワールには木樽のオープンの発酵槽を用い、 白ワインは小樽での発酵・醸造というぐあいに、 上質なワイン造りの条件が整っています。
1970年トロワ生まれのニコラ・ヴォーティエは、ボジョレにあるベルヴィルの醸造学校を卒業後、ワシントン州とシアトル近郊のワイナリーで働き、その後トロワにあるヴァン・ナチュールの聖地といわれる、“Aux Crieurs de Vin”という専門店・兼ワインバーで15年にわたりカヴィストとして働いてきました。その間、各地の自然派の造り手たちと親密なネットワークを作ってきました。そうして、長年の夢を実現すべく、ドメーヌ・サーブルとパカレで研修後、2009年に買ブドウでワイン造りを始めました。
ブドウの購入先は、シャブリ、アヴァロン、ヴェズレの有機栽培の造り手や、長年誠実な栽培をしてきた老人の栽培家などから。除草剤を使わず、小さな機械による深耕で栽培されたブドウを購入する一方で、またモンタネなど、ヨンヌ県の複数のビオロジック・ワインの造り手から、ブドウを分けてもらっています。もちろんのこと野生酵母だけで発酵させ、補糖なしでSO2を使用せず、醸造しています。2009年に作ったワインはおよそ30000本です。
ヴォーティエのワインは、予想に違わず自然派ワイン愛好家の大きな注目を浴び、ロワールで催された今年のディーヴ・ブテイユでは、人気の中心となりおおせました。 わくわくするような、楽しさあふれる味わいですが、一瞬驚くような芯の通った、丁寧なワイン造りのよさが表れています。きっと今年の春を楽しくにぎわせてくれることでしょう。本当にご期待ください。私も、到着をとっても楽しみにしています。
イランシー ラ・クロワ・ブュテックス
植樹:1974年
位置:南西向き、250m
土壌:石灰質・粘土質
15-20日間マセラシオン・カルボニック、この間毎日ピジャージュを行なう。プレスし、フリーランとプレスジュースをアッサンブラージュ。マロラクティック発酵の後半デブルバージュし、228L・500L・800Lの木樽で12ヶ月熟成後、澱引き。
オー・シャンプルーと同じ丘の上側で、50mほど標高が高く、斜度も急。1級区画のポテンシャルがあるとも名高い、パロットの区画の上に隣接する。表土が薄く、岩がちな土壌。
上品で気品のあるテロワールを映し、テクスチュアはきめ細かく滑らかで、柔らかく果実味豊かなピノ・ノワール。(インポーターさん資料から抜粋)
お一人様1本でお願い申し上げます。