マス・ベルトラン
地中海沿いに面したスペイン第二の都市バルセロナの近郊、南西へ約 30km ほど下ったところに、ヴィラフランカ・デ ル・ペネデスの街があり、その街を中心にスパークリングのカヴァで有名なペネデス地区が広がる。マス・ベルトランの畑は、ヴァラフランカの北に広がる小高い山の麓から中腹にかけた標高350m(ちょうどバホ・ペネデスとメディオ・ ペネデスの境目)の場所にあり、総面積は約4ha、南向きで、ブドウ品種はチャレッロ、パレリャーダを栽培している。
現オーナーであるサンティ・ヴェンチュラ(37 歳)は、ヴィラフランカで3代にわたって続くブドウ栽培農家の家系で育った。彼は1994年にタラゴーナにある醸造大学を卒業後、1994年にカリフォルニア、1995~97年にリオハ、1997~98年にチリと各地で醸造の経験を積む。再びスペインに戻った1998年には、カヴァの造り手カスティロ・ペレラー ダの醸造責任者として2 年働き、2000年にトーレス社の醸造チームに加わり2007年の初めまで醸造とスペイン国内向けのワインコマーシャを担当する。トーレス社で働く一方で、今までトーレス社に毎年ブドウを売っていた父の畑を譲り受け、自らプライベートカヴァの生産に取り組む。2004年に彼の姉と共同で正式にワイナリーを立ち上げ本格的にスタートする。
現在、サンティは2haのパレリャーダ品種(樹齢28年)と2.15haのチャレッロ品種(樹齢65年)の畑を父母妹の家族4人で管理している。( 繁忙期は季節労働者が数人手伝う。)畑は3代にわたり一貫してビオの農法にこだわり、醸造も限りなくナチュラルな醸造を試みる。2.15haのチャレッロは全て100%チャレッロでつくるワンランク上のキュヴェ 「アルジラ(ARGIL.LA)」用のブドウとなる。
一方で、彼は毎年、ヴィラフランカにある友人のワイン農協からキュヴェ・バルマ(BALMA)のベースとなるネゴシアンワインを買っている。買うワインはチャレッロ、マカベオ、パレリャーダの3種類。(2ha分の自社畑パレリャーダも最終的に BALMA 用ワインにアッサンブラージュする。)ブドウ果汁の段階から複数のタンクを厳選し、その後、醗酵中、醗酵後とテイスティングしながらタンクを淘汰し、最終的にベストなワインだけを買う。SO2 の量は彼が指示する。
カヴァ グラン・レゼルヴァ アルジラ
チャレッロ。ARGIL.LA(アルジラ)は、ドメーヌぶどう 100%。チャレッロを手摘みで収穫、選果後、ブドウを除梗破砕し圧搾。ステンレスのタンクに移し一次醗酵。(天然酵母)醗酵期間は約 1 ヶ月。リキュール・ド・ティラージュを添加してビン内二次醗酵開始。二次醗酵期間は約 1ヶ月で、そのままビン内で最低でも32ヶ月の熟成を経る。デゴルジュマン(澱抜き)をして目減りした分はリキュール・デクスペディション(門出のリキュール)を加えず、同じカヴ ァで量を満たす。デゴルジュマンのタイミングは必ずカヴァ出荷3週間前。
洋ナシのコンポートやカラメル、ラムレーズン、サブレの香り。ワインは優雅かつ上品で、凝縮したミネラルの旨味の中に、繊細な泡と複雑な風味が溶け込み、絶妙な味わいのハーモニーを奏でる!(インポーターさん資料から抜粋)