サ・ス・ディスクート(赤) 2021 750ml/ローラン・サイヤール

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ローラン・サイヤール


トゥールの東、ロワール川の支流にあたるシェール川を左岸に沿って60kmほど進むと、陶器で有名な町サンタニアンが見えてくる。そのサンタニアンのちょうど手前の小さな村マレイユから隣村プイエにかけて、トゥーレーヌワインの老舗クロロッシュ・ブランシュの敷地が小高い丘の一面に広がる。ローラン・サイヤールの畑は、このクロロッシュ・ブランシュの敷地内にあり、ワインは現在ノエラ・モランタンの醸造所の一部を借りて仕込んでいる。この地域の気候は、夏冬の寒暖の差が激しい大陸性の気候とシェール川がもたらす複雑なミクロクリマが互いに影響し合う。

現オーナーであるローラン・サイヤールは1991年、20歳の時にリヨンにあるポール・ボキューズの専門学校でホテル・レストランのマネージメントを3年間学んだ。以前から海外で働きたいと思っていた彼は、専門学校を卒業後1年の徴兵を経て、1995年新天地ニューヨークへと旅立つ。ニューヨークでは、ブルックリンにあるレストランTheBountyで3年働き、1998年マンハッタンにあるビストロBalthazarで5年間ホールマネージャとして働いた。この頃、ブルックリンで360というビストロを経営していた友人から自然派ワインを紹介され、次第にヴァンナチュールの世界にはまりこんでいく。2004年、満を持して、ニューヨークで最初に自然派ワインだけをリストにそろえたレストランICIを立ち上げる。ビオのローカルな食材と自然派ワインにこだわったレストランは瞬く間に反響を得る一方で、家庭との両立が次第にうまく行かなくなり、2008年妻にレストラン経営を譲り、ニューヨークを後にする。フランスに戻ってからは、ティエリ・ピュズラを介してビストロLʼHerbeRougeで2週間ほど働き、その間にノエラ・モランタンと出会う。その後はノエラ・モランタンとクロロッシュ・ブランシュの両方を手伝いながら、ゼロから畑とワインづくりを学び、2012年、ノエラから買ったブドウで仕込んだ自身初のオリジナルワインをリリースする。翌年の2013年、ノエラの畑2haを譲り受け自らのドメーヌを立ち上げる。そして、2015年クロロッシュの引退後の畑の半分4.5haの管理を引き受け現在に至る。

現在、ローラン・サイヤールは6.5haの畑を1人で管理している。彼の所有するブドウ品種は、ソービニヨンブラン、ガメイ、ピノドニスの3種類で、樹齢は30〜60年。ブドウの栽培はクロロッシュから学び、さらに独自にビオディナミも取り入れている。また、醸造はノエラから学び、彼女同様に教科書にとらわれない「フィーリング」を大切にしている。出来上がるワインを想像しながら、マセラシオンの方法、期間、醗酵、スーティラージュ、熟成方法等、全てテイスティングを通して臨機応変に対応していく。彼のモットーは「感性を生かしたシンプルで美しい仕事」。性格的に投げやりなことが嫌いというローランは、一度仕事を始めると最後まで黙々と丁寧に作業をこなしていく。彼の仕事の姿勢は他のビニョロン達の間でも定評があり、ワイン生産者としては新人ながら、多くのビニョロンから絶大な信頼を得ている。仕事以外の趣味はキノコ狩りと料理。季節の素材にこだわったシンプルな料理を得意とし、今はただ料理することだけでは飽き足らず、趣味が高じて、小規模ながら自分で野菜や果物、養蜂、鶏、豚などを育てながら半分自給自足のような生活を行っている。また、彼はアメリカに住む二児の父親で、趣味以外では、数ヶ月に一度ニューヨークにとんぼ返りし、愛する息子たちと一緒に過ごすことを何よりの喜びとしている。


サ・ス・ディスクート(赤)


ローランが品質の高いブドウを作る地元トゥーレーヌの生産者を応援するために 2020 年から始めたネゴスのワイン。彼のネゴスのこだわりは、毎年栽培者の提示する価格に応じてブドウを買うのではなく、彼が見込んだブドウ栽培者と直接 20 年契約を行っていること。つまり、年によって収量が豊作でも不作でも、毎年同じ価格を支払う契約をしている。ちなみに、サ・ス・ディスクートの契約畑面積は 50a。2020 年の収量が 50hL/ha に対し、今回の 2021 年は 30hL/ha と減収だが、ローランは前年と同じ価格を栽培者に支払っているそうだ。それでも、彼にとっては、従業員付きの最高の自社畑を手に入れたようなメリットがあると言う。出来上がったワインは、アルコール度数 11.5%と低いが、ヴィエーユ・ヴィーニュのピノドニスだけあり、しっかりとしたストラクチャーを感じる!それでいて果実味はフランボワーズのようにみずみずしく、全体的にエレガントにまとまっている!ちなみに、エチケットは白地に黒の文字をベースにしたドメーヌのデザインに対し、ネゴスは反対に赤地のエチケットと白の文字を組み合わせにしたちょうど写真でいうネガのようなイメージでデザインされている。

ピノドニス。収穫日は9月27日。収量は30hL/ha。買いブドウはトゥールのビオ生産者ジュリアン・モローから!ワイン名は「それぞれの見解あり。意見が分かれるところだね」という意味があり、「ネゴスのブドウでつくるワインに対する反対意見があっても受け入れるが、ワインを飲んでみてから批判してね!」という意味を込めて命名した!SO2は瓶詰前のスーティラージュ時に10mg/L添加。ノンフィルター!

グロゼイユの明るい赤い果実の香りにシャクヤクの花の甘い香りやお香のようなオリエンタルな香りが重なる。ワインはエレガントかつみずみずしい果実味にストラクチャーがあり、キュートな酸と ほんのりビターで繊細なタンニンが余韻を引き締める!(インポーターさん資料から抜粋)


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