ドビ
生粋の貴族であるマダム・フランシーヌ・ドビによって運営されてきたこのアイのRMは、長年にわたって生産量のほとんどをフランスのシャンパン愛好家達に買い占められてきた、真に知られざる存在でした。
状況が変わったのは、アヴィーズの醸造学校で自然環境についての教鞭を執っていた娘のフロール・ドビが、2007年、家業を継いで女性醸造家の道を歩むことを決心してから。
新世代らしい開かれた価値観を持つ彼女は、アイとその周辺のテロワールの素晴らしさをより多くの人に知って欲しいと願い、ワインメディアへの紹介や輸出に取り組み始めました。
実際のシャンパン造りにおいても、化学肥料の使用を止め、農薬も必要最小限度に抑えたリュット・レゾネ栽培を開始したり、樽熟成させたヴァン・ド・レゼルヴの比率を高めたり、ブラン・ド・ノワールやブラン・ド・ブランを造り始めたりといった改革を行いました。
ラベルの花は、このメゾンのシンボルである「コクリコ(ひなげし)」です。
「夕食時だけでなく、休日の午後にも心から楽しんでいただけるような、泡のきめが細かい、軽やかで上品なシャンパンを造りたいと思っています」(フロール・ドビ)。
ブリュット レゼルヴ
アイに隣接するプルミエ・クリュ村、マルイユ・シュル・アイとミュティニー産のピノノワール80%、シャルドネ20%。平均樹齢25年。現在販売中のものは2010年産40%、ヴァン・ド・レゼルヴ(2009年産100%)60%のブレンド。ヴァン・ド・レゼルヴはフードル(大樽)で熟成。ドザージュは10g/l。