シャトー・マレスコ・サン・テクジュペリ
マレスコ・サン=テグジュペリはマルゴーの町中にあり、ワイン街道(県道2号線)沿いのシャトー・パルメの数ブロック北に位置する。マレスコは、特にその長命な伝統的なつくりとしっかりしたスタイルのワインにより、昔から評判が高かった。
1955年以来の所有者であるズジェール家は、出荷した時によりしなやかで飲みやすくなるように、あえてスタイルを変えることはないと主張する。しかし、最近のヴィンテージ、とりわけ1980年代後半以降のワインは1960年代のものほどタニックでも、硬くもないように私には思われる。地の利に恵まれたブドウ畑(そのいくつかはシャトー・マルゴーに隣接している)からは、現在中量級のワインが生産される傾向にあり、そのエレガンスと風格を備えた味わいには心引かれるものがある。1990年以来、マレスコの栄養不良で生硬なスタイルに、豊かさと凝縮感が大幅に加わった。ここもまた、1960年代、1970年代、1980年代の非常に失望させられた期間の後に復活を遂げたシャトーの1つである。
ここもまた、近年になってよくなってきたマルゴーのシャトーである。マレスコ・サン=テグジュペリは劇的に変わった。多くのヴィンテージでブルジョワ級レベルのワインしかつくれなかったのが、今では名実ともに三級にふさわしくなり、価格は現実的なレベルに抑えられている。ここのワインはマルゴーで最もお値打ち品の1つであり、最上のものは、フィネスと力強さとテロワールを、骨の髄まで表現している。(『ボルドー第4版』から抜粋)